AR-house
小高い山裾の緑豊かな公園に向かって浮かぶ家。 敷地には当初から葉張り7.5mの大きな八重桜が一本立っており、建物を計画する上で伐採しても構わないということであったが、我々はあえてこの八重桜を残すことで、住まい手の暮らしと関わり合えるような建築空間のあり方を考察することにした。 全体のプランは、敷地の奥にセットした矩形のボリュームを、間口2間、奥行1間のマスに12分割し、オープンスペース、パブリックゾーン、プライベートゾーンをパズルのように組み合わせていくといったダイアグラムを構成し、ゾーニングを行った。 生活のメインスペースとなるLDKは2階に持ち上げ、変形切妻屋根により天井高に変化をつけた開放的な空間とし、地上からの視線に配慮して連続水平窓を設け、公園の景色を切り取った。また、1階は建築面積の半分を屋外とし、多目的に活用できるピロティーをつくることで、緑豊かな環境に開いた心地よい「場」を提供している。